えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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横浜にぎわい座に落語を聴きに行きました。主任の柳家さん喬師匠の古典落語「笠碁」に、こんなことってあるな、とうなずいてしまいました。いい話だなぁ。江戸の世も今も変わらないや。

その後の夜に横浜スタジアムにベイスターズの応援をしに行こうと思っていたのだけど、台風の影響の大雨で中止。家に帰っておとなしく夜を過ごします。

横浜にぎわい座
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オンデマンドで小津安二郎監督の『長屋紳士録』を見ました。1時間11分の短い時間に小津スピリットがつまっている昭和22年、1947年の映画です。

これは小津調、小津版のチャップリンの『キッド』だろうか? 人情もの古典落語のようなストーリー。感動しました。

映画に映された終戦直後の東京の風景が生々しい。焼け残ったビルと火鉢のあるぽつりぽつりと立つ掘っ立て小屋のような日本家屋。そこにもアキ・カウリスマキも探している赤いヤカン(ケトル)も見つけましたよ。白黒映画なのだけれど、あれは赤いヤカン(ケトル)に違いあるまい。

カンヌ国際映画祭の開かれたカンヌからのニュースでは、今年の「カンヌ・クラシックス」部門で『長屋紳士録』が上映され、上映後のスタンディングオベーションで拍手が鳴りやまなかったそうです。日本人のある意味、ありふれた日常を描きつづけた小津安二郎だけれれど、このカンヌからのニュースは小津安二郎ファンとして、そして、日本人として、率直に嬉しいものです。難しい記号論は置いておいて、映画から立ちのぼるこのヒューマニティ―、世界の宝ものの小津安二郎の映画です。
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オンデマンドで小津安二郎監督の『彼岸花』を見ました。アキ・カウリスマキ監督の探しつづけている赤いヤカン(ケトル)がこの映画『彼岸花』にもありましたよ。

『彼岸花』予告編
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紫陽花を見に、あじさい寺とも呼ばれる明月院に行きました。





満開にはもう少しだけれど、このうさぎと月の寺と花の美しさにほれぼれとして散歩しました。


帰路、ふと円覚寺に近ごろのぼくの中でのリバイバルブームとなっている映画監督の小津安二郎のお墓があることを思い出し、参りに行きました。



鎌倉の古刹の寺に小津安二郎は眠っています。お酒好きの故人を偲び、たくさんのお酒の瓶が並んでいて、花が供えられています。赤いジョニーウォーカーの瓶は、あたかも小津安二郎の映画にさりげなく撮されていたそれのようです。なんだか感動していました。

墓石にはただ「無」とのみ刻まれています。おっちゃん(生前、小津安二郎は懇意の俳優からはそう呼ばれていたそう)、かっこよすぎるよ。
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オンデマンドで小津安二郎監督の『秋日和』を見ました。

あの小津調もカラー時代になると、画面を縦の線、横の線に割っていて、何かカンディンスキーの絵の中に人が現れ、消えていくようで、不思議な感じなのです。そして、いろんな人がいうように小津のカラー作品の赤い色の小道具が映画に独特の美しさをもたらしています。ふと、フィンランドのアキ・カウリスマキ監督は小津安二郎の映像美にたくさんの影響を受けているのではないかと思いました。

映画の中で事件らしい事件は起こらず、小津安二郎は家族全員で安心して見れる映画を意識していたといいます。

坂本龍一のいうところのひどい音楽(坂本さんは映画音楽としては小津安二郎の狙い通りだとも後に訂正しておりました)は、とても軽快で、映像に合っていて、ぼくは大好きです。

お嫁に行くアヤ子を演じる司葉子の清楚と対比して、アヤ子の友だちを演じる岡田茉莉子は新しい時代の女子という感じで、その存在感がすごい。

同じテーマである『晩春』(父と娘の別れ)とちがい、原節子の演じるラストのお嫁に行ったあとの部屋に一人残された母の秋子の笑顔にすがすしくも暖かい何かを感じて、とてもよかったです。

映画を見た後、偶然、アキ・カウリスマキの小津安二郎への敬意のある動画を見つけ、いたくこれにも感動しました。紹介いたします。

Aki Kaurismaki on Ozu
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ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督の『トリとロキタ』を見ました。ベルギーを舞台にした仲良しの10代の少女ロキタと、まだ幼い少年トリ、アフリカから移民してきた子どもの話に今という時代が生々しく映し出される。なんだか、是枝裕和監督の『誰も知らない』を思い出した。ヒューマニティーを訴える映画だけれど、その結末に胸にふたがれる思いです。『トリとロキタ』は何かとても美しいものを描いていて、けれども、映画にはひとすじの希望があった方がいいと思うのだが、どうだろう?

ダルデンヌ兄弟監督最新作『トリとロキタ』3月31日(金)公開
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平山周吉さんの著した『小津安二郎』を読了しました。小津安二郎監督の映画の好きな人には恰好の本で、興味深く、そして、面白く、読み始めたら止まらなくなってしまうような全部で二十一章の小津安二郎についての論考の本でした。

「第六章 人の如く鶏頭立てり「東京物語」」や「第七章 「晩春」の壺は、値百万両」では何か怖いような推論が展開されるのだけれども、小津安二郎という映画監督は、生涯、ファミリードラマを撮り続けながら、前の戦争で逝った人たちの無念を決して忘れなかった人でもあったのだと思う。今年で没後六十年、生誕百二十年の巨匠の亡くなった年、1963年は、ラジオの放送から、戦争の尋ね人のコーナーが無くなった年なのだそうだ。1963年のその後を生きていたら、小津安二郎はどんな映画を撮っていたかというようなことを考えるのは詮方ないことで、ただ時おり、小津安二郎の映画を見て、まさしく戦後を生きた人たちと時間をともにし、意識せずとも戦死者を追悼したくなるのです。







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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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