えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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この前、亡くなられた河合隼雄さんの対談を二冊、続けて読んだ。「「あるがまま」を受け入れる技術」という棋士の谷川浩司さんとの対談と「生きるとは自分の物語をつくること」は小説家の小川洋子さんとの対談。

二冊とも人生のケミストリーについて語りあっておりますなぁ。ケミストリーとは化学反応のこと。人と人とがめぐり合い、奇跡のような成長や幸せをもたらすこともあるらしい。長い悩みの末、谷川浩司九段は遊びの境地を垣間見て、人生も仕事である将棋も楽しめるようになったという。うらやましいです。谷川棋士にとってその人とは羽生善治九段であるのかもしれない。

みなさん、偶然が必然であるようなミラクルってあると思いますか?「生きるとは自分の物語をつくること」の中で河合先生は重篤な患者が治癒されていく過程で、何度でもそのような奇跡のようなできごとが起こるという。場というようなもの、多分、星座のような絶妙な配置、符合が形づくられるのかも。最近、ぼくもそういうのはあると思います。本当にある! 「のぞみはひかりより速いんです」と河合先生は言っています。だじゃれです。しかも、真剣です。そして、この本は河合隼雄さんの最後になってしまった。ラストメッセージかな・・・笑いながら、感動して泣きました。

河合 アインシュタインの、光りは全てのものの中で一番速いいうのは間違いです。光りよりも速いものがあったんです。
小川 のぞみ。
河合 太陽から、ここまで光りが届くのに何分かかるか知ってる? 八分。ところが僕が太陽に「お願いします」言うたらパッと一瞬にして届く。
小川 一瞬ですね(笑)。
河合 だからのぞみはひかりより速いんです(笑)。

(ヒントはJR)

河合さんの本はたくさん読みました。いつかどこかでまだ会える気がする。
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土曜日



山梨までドライブした。フラフラと気ままなドライブ。葡萄狩りをしようということになり、一の宮付近で車で走らせる。ここらあたりは本当にたくさんの葡萄園。午後4時ぐろいに「勝王園」というところに直感で入った。ぼくの直感は、ある時はするどい。
「まだ葡萄狩り、できますか?」
と車のウィンドウを開け、声をかけた。
「いいよー」というおじさんの声。かたわらに、おじさんのお嫁さんらしき人。この人は本当にお嫁さんであった。
葡萄狩りの前にこの葡萄園から取れた白ワインを試飲しろと言う。飲んでみたら、本当においしい! フルーティな葡萄の果実の甘さと香り! 最高だった。
葡萄を摘みに行き、その後ベンチに座り、ゆっくりしていると、葡萄を一杯摘んだ籠を持った、もう一人のおじさんも現れる。
なんだかんだと酒盛りが始まってしまったのだ。このあたりは、お日様みたいな一緒に来た友だちの明るい人の心のおかげかも。ぼくは、人見知りでシャイだから、こうは行かないです。
酒盛りで、文字通り盛り上がって、楽しかった。ぼくは運転手で飲まなかったけど、釣りの話、ゴルフの話、東京の話、神奈川の話、山梨の話、音楽の話、一杯。「農村ボーイ」とか「ノラリーマン」とか笑わせてくれたりして。野外のつかの間のホームパーティーにお招きされたのだった。
いい思い出とワインと葡萄の香りが一杯の車の中、帰り道、中央高速でアクセルを踏んだ。

日曜日



古友だちのきくちのりゆきの一周忌のパーティ。パーティという言葉が不適切かもしれないが、ご勘弁を。
よくぼくは、年月が過ぎても変わらないと良く言われるのだが、のりゆきに5年前に会った友だちがのりゆきは全然変わっていなかったという。ぼくも変わらない歌を歌ってしまった。そして、同じく変わらないシゲマツくんのセットでは東京ボブディランのシークレット・ギグになってしまった。相変わらず、かっこいいのぅ。
打ち上げで懐かしい昔話ではなく、今の話。ぼくは、昔、あーだったこうだったというのは好きではないのです。けれど、思い出というのが嫌なわけでもない。
今だってそうさ。いつだってそうさ。
変わらないこと、いいことなのかな?
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六本木のビルボードライブまでオーティス・クレイを見にいった。1960年代、1970年代のメンフィスソウルを肌で知っている数少ない生き残ったシンガーなのだ。純情な心を泣き喚くように歌うソウルシンガー。地道な活動をOtisは続けていたのだね。バックのミュージシャンはよくここまで腕利きをそろえておるなぁ。久しぶりに最高の古友だちに会えた気分。握手もしてもらっちゃったし。

いっしょに来た友だちに、どんなジャンルの音楽が好き?と聞かれた。すかさず、ソウルミュージックと答えた。この音楽は「まっすぐ」とか「ひたむき」とか、そして「愛」という言葉がぴったりの音楽なのだ。あともうひとつ、特別に好きな音楽があって、それはロックステディーと呼ばれるレゲエの前身のような音楽。これも「まっすぐ」とか「うぶ」とか、そして「恋」ってことばがぴったりの音楽のような気がする。どちらも1960年代の後半に最高の隆盛を迎えた音楽であるなぁ。愛が輝いていた時代? わかりません。けれど、Otisの歌は愛についての愛の歌だと思った。SOUL MUSIC!!
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マービン・ゲイはこのアルバム"what's going on"を1971年に残して、20世紀の最も偉大な音楽家の一人に数えられるのではないか? もしも、Sam Cookeが生きていたら、垂涎を飲んだだろう。天国の向こうでサムは、マービンを祝福したに違いない。社会を歌い、愛を歌い、天にまします神を完璧な美しさで歌ったのだから。今、聴いても古くなくて、詞など、今の時代でも深く訴える。というか今のことみたい。世界は変わっているようで変わらず、美しいものは、永遠の輝きなのだと思う。マービンの歌のように。

いくつか詞の訳でも・・・

What's Going On

お母さん、母さん
なんてたくさんの涙を流したのだろう
お兄さん、お兄さん
なんてたくさんの死に会わなくていけないのだろう
わかるだろう、今ここで、愛を取り戻す道を見つけなきゃ
お父さん、お父さん
もうそんなに激しくなりたくないんです
わかるでしょう、戦争は答えにならない
愛だけが憎しみに打ち克つんです
今ここで、愛を取り戻す道を見つけなきゃ
ピケラインを引き、プラカードをあげよう
これ以上、暴力で打ちのめさないで
話してください、どうなっているのか
何がおこっているのか
こんなひどい時
お父さん、お父さん
みんなは、ぼくたちのことを間違っていると言いますよね
髪が長いとかの理由で判断できますか
今ここで、愛を取り戻す道を見つけなきゃ
ピケラインを引き、プラカードをあげよう
これ以上、暴力で打ちのめさないで
話してください、
どうなっているのか
何がおこっているのか

-

What's Happning Brother

ねえ、きみ、いいこと聞いた?
戻ってきたよ
戦争は地獄で、いつ終わるんだろう?
人々みんなはいつ仲良くなれるんだろう
新聞は状況は良くなっていると言うけど本当かい?
そんな新聞の話以外に何かおこってない?
仕事なんて、まったく見つからないっていうじゃないか
文無しになってきつくないかい?
わからないけど
この国はどうなっているんだい?
どうしたんだい? ブラザー
なにかあったのかい?
昔みたく踊りに行ってごきげんになろうよ
町の野球チームは勝っているかい? 優勝できるかなぁ?
話してよ、何かあったの?
話してよ、何かあったの?
ちょっと時代遅れかもしれないぼくに

-

Mercy Mercy Me (The Ecology)

なんてことだろう
いろんなことが昔通りじゃないんだ
青い空がどこかに行ってしまい
そこに北から、南から、西から、風にのって毒が吹いてくる
なんてことだろう
いろんなことが昔通りじゃないんだ
廃油が海を汚し、魚は水銀にまみれている
なんてことだろう
いろんなことが昔通りじゃないんだ
放射線や熱が地下や空をおおい
今までいっしょに生きてきた動物たち、鳥たちが死んでいく
なんてことだろう
いろんなことが昔通りじゃないんだ
人口は溢れかえり
女はどこまで男からの虐待に耐えればいいだろう?
愛おしい神よ

YouTubeから特別のおまけです。
Marvin Gaye "What's Going On / What's Happening Brother"

http://jp.youtube.com/watch?v=Y9KC7uhMY9s

マービンの隣でJames Jamersonがベースを弾いている。かっこいい。すごいフレーズ、連発。重く低い音。ピアノを弾いて歌って、マービンもスタイリッシュでかっこいい。客席の女の子、涙目! まいりやした。

では、おやすみなさい。


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今日は車を走らせ横浜の赤レンガの裏のパークまで。なんでも日本からブラジルへの移民が今年で100周年ということで、それを記念する"10,000 SAMBA!"というイベントです。2時半過ぎに着いたら、お目当てのジルベルト・ジルは始まっていた。Bob Marleyの"No Woman, No Cry"を歌っている。次は同じくBobの"Kaya"。この人、1年前はブラジルの文化大臣だった人なのだけど、"Kaya"なんて歌っていいのか? "Kaya"って言うのは、ジャマイカ独特のパトワと呼ばれるクレオール言語で、マリファナという意味。こんな歌詞。

「おきたらもう夢中だよ 雨が降っているから
Kayaをやるさ 雨が降っているから
気分いいぜ 降っている雨のその空に手が届くほど
お隣だってごきげんにやっている」

日本の良い子は法律違反なんで、この歌のことは真似しないようにしましょう。そして、その次の曲がやっとオリジナルのポルトガル語で歌われるナンバー。ジルベルトは船が停泊する横浜の湾に軽く流している感じだったけど、それがまた良かった。しかし、ブラジル人の奏でるリズムは絶品だ。やわらくて、しかも粒だっていって、腰をゆらす深いシンコペイトがあって、複雑で、いろんな色が見えるほどカラフル。前文化大臣、ジルベルトの歌を3曲しか聴けなかったけど、でもいいか。
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世界的な言語学・文化人類学者である西江雅之さんの「自選紀行集」を読んだ。この人の著すエッセイは本当におもしろくて、心に響くなぁ。本の中のこんな言葉にうれしくなる。

「世の中には、思い描くだけで心が躍るものがある。様々な形、色、そして音が、この地上には溢れていて、それらが自由気儘に動いている。」

100人いれば、100通りの性、セックスがあるというのは精神分析の始祖、フロイトの言葉だけど、この本を読むと、100人いれば、100通りのもの思い描く幸せ、ハッピーがあると思うし、そうであって欲しい。この本ではなく、最近、知ったメキシコの先住民の権利回復運動のサパティスタ民族解放軍のリーダーとされるマルコス副司令官(司令官は先住民)は、世界に辺境というのはあるのだろうかと問い、世界はまるくて、隠れるすみっこはないのだと続ける。世界のいたるところで、人は幸せを求めて生きているのだ。アフリカ、アメリカ、アジア、・・・。こんなことも西江さんは書いている。

「人間はお互い持ちつ持たれつの関係にある。他人を信じてしか生きられない。しかし、そのことは、頭で理解出来てはいても、実際の場で考えることとは逆であるのも確かである。」

地球は丸くて、東京もニューヨークもロンドンも世界の中心でないのかもしれない。世界は幾層にも重なった、複雑な網のようなものかもしれない。

1997年に発表された「国境の町*与那国」はこれからの世界を思い巡らすとき、予言的である。国境は、旅をして越えるためにあると西江さんは短く書くけれど、その旅をするのはぼくやきみなのだと思う。旅をしよう。
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日曜日の午後、到着したのは午後2時すぎ、屋台でソーセージとコロッケもたいなものを買い、階段のところに座り、ビールをお腹に流し込む。よっぱらいはじめて、一緒にきた人が、太鼓のポリリズムとともに合唱する歌を聴きながら、サンバって、リズムは踊れて楽しいけど、メロディーは哀愁系だなどという。その通り、ブラジルの名曲、名歌のほとんどが失恋の歌だと思い、ブラジル人ってのは恋に破れてメソメソするのが好きなんだよと答えた。きみは、しかし、いい耳をしているねぇ。それはブラジルの文化から生まれた、胸を引き裂くような素敵すぎるることば"saudade"。この"saudade"についてはまた別の機会にと思うが、多分、"saudade"を語るならば、ブラジルの心について語るようになり、それは普通に訳される郷愁というより、得られなかったもの、帰れることのない何かへの愛のこと。しかも、必ず涙が伴うということだそう。

今日は「ブラジルフェスティバル」。たくさんの日本で働くブラジル人の舞台挨拶みたいなことが続いている。全編ポルトガル語。なんと言っているのか分からんが、なんか楽しそうでよろしいなぁ。周りの人の半分以上はブラジル人みたいなのだ。

午後の4時きっかりに、ジョルジ・ベンが登場。すごい。フルメンバーでフリーで代々木の小さいステージにいる。今日は入場料もないフリーのコンサートでもあるけれど、ブラジルに戻れば、ポール・マッカートニーやスティービー・ワンダーのように知らぬ人がいないようなミュージシャンなのだ。しかも手抜きなしの管楽器3本、キーボード、パーカッション、ドラム、ベースを連れてきている。あぁ、ジョルジが前奏でギターを弾きだすと、リズムがうねる、うねる。若いミュージシャンのように溌剌として、たくさんのヒット曲を次々に完璧に演奏し、歌い、オーディエンスがポルトガル語で合唱する。ここはどこだ? そして、ジョルジのはじめてのヒット曲「マシュ・ケ・ナーダ」を演奏していたころ、合唱になり、空がピカピカ光っている。大雨が降りだした。大粒の雨は思いっきりのシャワーのよう。気持ちいい。その時、すべてが水と音に洗われ、過去も未来もなく、幸せな今しかなかったよ。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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