えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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石川拓治氏の著したこれは深くて衝撃的な本だ。たかが、リンゴ、されど、リンゴ。無農薬でリンゴを栽培しようとした青森の農家、木村秋則さんからの聞き書き。この本の前半四分の三以上は無農薬のリンゴの栽培の失敗による人生を転げ落ちていく記録になっていて、まさしくその話は、もの狂いの地獄巡りのようなすさまじさなのだ。悲惨さが実話であることによって、無限のような悪夢であるかのようであるのだけど、ある時、木村さんはあることに気づくのだった。そして、リンゴの花が咲き、小さな実をつける。形ある繋がりすら越えて、最後に種の別々を越えた、命の形のない繋がりが暗示される。震撼し、感動した。木村さんのリンゴ、食べてみたい。ガブッ。

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1829年のデイヴィット・ウォーカーに始まり、2005年のバラク・オバマで了とするアメリカ合衆国での21もの黒人の演説集を読んだ。黒人たちへの残虐な死に至るまでのリンチやレイプなどの暴力は1960年代まで続いたことに驚きと共に、アメリカのもう一つの暗黒の裏面を見る思いがした。2009年に合衆国では黒人の大統領が登場したのだが、世界というのは、ある時、変わるのだ。
マルコム・Xは元祖ラッパーだと思い、おれ達を痛めつける白人たちに媚びるな、アンクル・トムになるなと、殴り返してやれと言っていたけれど、そんなマルコムをかっこいいとも思う。キング牧師の言葉は聖なる響きをもっているし、ガーベイの貿易船に乗り、救いの旅にも出たいのだけれど。

ぼくは、昔、夢を見たことがある。とても生々しく奇妙な夢だった。ぼくは、アメリカの南部で、富豪の息子だった。しかも、当時の黒人たちに寛容な理解のある白人だった。黒人のトミーはぼくに言っていた。おまえにはだまされない、おまえは偽善者だと。ぼくはトミーにいつも言っていた。つまるところ、肌の色を越えて、ぼくたちは同じ人間だと言っていたが、トミーは聞き入れない。
ぼくは黒人たちの音楽が大好きだった。土曜の夜には、バンガローのような小屋に住む黒人たちを呼んで、パーティーをいつもしていた。
ぼくには悩みがあった。メアリーのことだった。同じく富豪の娘である白人のメアリーと恋に落ちていたけれど、メアリーの両親に結婚を強く反対されていた。なぜなら、ぼくの黒人に対する寛容のためだった。黒人たちとのことでぼくは地域からも孤立していた。メアリー以外に本当に友だちも恋人もいなかった。黒人たちと仲良くしたがるぼくは、ぼくのこれからの没落を信じていたし、それでいいとも思っていた。そんな夢だった。

今、ぼくには、ゾラ・ニール・ハーストンやトニ・モリソンらの黒人の女性の演説の思慮深いやさしさがしっくりくる。ゾラはこんな風に言っている。

「私から人種が消えることがある。私は私。・・・そのとき宇宙的ゾラが生まれる。私はいかなる人種にも、いかなる時間にも属さない。自分自身の運命の数珠玉を操る永遠の女。
アメリ市民と黒人という別々の感情は持っていない。私はただ「大きな魂」の断片で、その領域で揺れ動く。私の国で、正しかろうが、そうでなかろうが。
ときおり差別を感じるけれど怒ったりはしない。私はただびっくりする。えっ、私と一緒にいる楽しみを捨てるっていうの。それは私の及ばぬところ」

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あぁ、この漫画は、日本一ファンキーな町かもしれない大阪のあいりん地区や西成や釜ヶ崎などと呼ばれる町、そして、新世界という商店街を舞台にしていて、花街の飛田新地あたりも含むのかしら。なぜか、報道はされないけど、ここは日本で唯一今でも暴動の起こるブルーズの町で、去年も起こった。けれど、ブルーズといっても町のおっちゃんたちは演歌しか聴かなさそうだけどね。貧乏な外国のバックパッカーが一泊3000円以下の宿に惹かれ、たくさん訪れる、建築現場で働く日雇い労働者の町なのだ。大阪に行くとアジアを感じるんだなぁ。ピンク色の環状線の電車にまた乗りたい。そして、新今宮駅を下りて南に向かうのだ。そうだ、あの娘に会えるかもしれない。

じゃりン子というのは英訳すると、きっと"SOUL SISTA"になる。それで、やっぱ、"SISTER"ではなく、"SISTA"だろう。この漫画を読んで、ぼくは、早くも"SOUL SISTA"に恋をし始めているのだった。チエちゃん、かわいい。

(写真はWikipediaからです)
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ばか高いアイスがあるなと思っていたのだが、最近、初めて食べてみて、おいしい。ストロベリーのハーゲンダッツのアイスクリーム。こいい味に癒されるわ。イチゴの果肉が大きい。おいしいよー。男のくせにいいのかしら? 恥ずかしい。呑んだあと、家に帰って、一風呂浴びて、このアイスがおいしい。あぁ、はずかちぃぃ・・・
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久しぶりに聖蹟桜ヶ丘のロック・バー、ルーズ・ボックスに行ったよ。入ってみてびっくり。内装が全然、変わっている。でも、赤が基調ね。この前ここに来た時から約1年ぶりぐらいになるだろうか?不況の話とかした。どこも、厳しいらしい。残業するなとか、みんな、言われているらしい。こういう時は不安でたたずむより、てくてく、ゆっくり、歩き始める方かいいのかも。マスターがいいこと、言っていたよ。あれこれ、できない理由を述べたてるよりも、とにかくやってみた方がいいと。10年以上ロックバーを経営してきたマスターの言うことだ。絶対、間違いはない。それで内装を変えてPAも新しくしたのだ。やったね。最近は高校生の女子のブルース・バンドとか出演したらしい。その女子たちの発案でメイド喫茶のイベントをして、大コケだったと言う。来月、映画を撮り始めると言う。一度の人生だ。好きな人と一緒になって、好きなことをやって、好きに生きればいいのだ。それで、マスターの嫁のむっちゃんがいなかったんだけど、逃げられたのかと聞くと、違うと言う。どうしたんだろう?

歌も歌ったよ。おなじみのブルース・ナンバー"Stormy Monday Blues"と自分で作った曲が2曲、"Dreadful"と「踊りにいってもいいだろう、ママ」ね。ぼくは最近、弾かないギターを心掛けていて、少しずつわかってきた気がする。

ウィスキーやスピリッツのダブルが500円。今夜はTom Waitsがかかっていた。みんな、ルーズ・ボックスに来なはれ。
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4枚目のライブ盤の紹介です。自分に元気を入れるためにロックなのだ。LITTLE FEATの"WAITING FOR COLUMBUS"。このライブ盤を出した後、LITTLE FEATからギタリスト兼シンガーで多くの作詞作曲をしていたLowell Georgeが脱退。Lowellは1枚のソロアルバムを残して逝ってしまう。嫁がアフリカ系の人だったのではないかしらと、思い出した。
このライブアルバムはTower Of Powerのホーン隊を連れてのヨーロッパでのライブ。アルバムタイトルの「コロンブスを待ちながら」というのが意味深だねー。アメリカでコロンブスを待っているのかしら? Little Featを聴くと、アメリカ人ってアメリカにいることが居心地が悪いのではなかろうか? アメリカはその昔、デトロイトのブルーズ・マン、John Lee Hookerが歌うNoman's Land、誰のでもない国、土地であって、ヨーロッパでのLITTLE FEATは実に生き生きとしている。歌う歌はいつも、ふられダメ男の歌。ダメ男をふる女がアメリカの暗喩なのでは? そんなことはないか? いろんな奴がアメリカに天国を求めてやってきて、手に入れるが、手に入れられない。けれどアメリカを愛してやめられない。"Fat Man In The Bathtub"にあるように、それでデブがバスタブに浸って泣き声をあげているのだ。

「検査係のビリーのやつはひざまずいて懇願している
きみのガソリンが大丈夫かチェックしたいんだ
今夜やダメよ、月曜か火曜にいらっしゃい
ファニータ、愛おしいファニータ、どうしている?
ファニータ、愛おしいファニータ、元気かい?
誰も踊って死にたいとは思わないけど
車でぶっ飛ばそうってとかも思わない

どうしてかって?
デブがバスタブをブルーズだらけにしている
うめいて泣いている
うーうー泣いている
うーうーって聞こえるんだよ

ビリーは落ち込み、寂しくて、それで、帽子を取り、走り始めやがった
街中をわめいて、走りまくり、息は乱れ、心臓はバクバク
おれが人生で欲しいのは正しくて清らかなささいな楽しみだけなのに
ちょっとヒットエンドランを決めたいだけなに
ファニータ、愛おしいファニータ、どうしている?
ファニータ、愛おしいファニータ、元気かい?
あり金すべて君に預けるよ、そうすれば、減らなくて済むじゃないか
げすな街でのきみのスクイズでおれはつかまってしまったんだ

どうしてかって?
デブがバスタブをブルーズだらけにしている
うめいて泣いている
うーうー泣いている
うーうーって聞こえるんだよ」

なんか、強烈。天国を求めてアメリカに来た。アメリカは天国ではないけど、天国の時もある。だから、アメリカを愛さずにはいられない。けれど、天国を何度でも求めてしまう。
アメリカのレディー・ファーストには理由があって、移民に女性が少なかったからだという。アメリカ料理はキャンプ料理。焼いて塩胡椒して、ケチャップかけてがぶり。ホワイト・ハウスが巨大な野営テントに見えてきはしないか? おれたちはここにいていいのだろうか? ここにいたいけれど、ここがそこなのだろうか? アメリカ人ってみんな、流れ者なのではないか? おれみたく、ブルーズをうめき、ロックンロールで騒ぐのがちょうどいいのさ。やっぱ、コロンブスが来るまでは、トマト人がいたんだよ。

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ここは、小さな知らない漁師町らしい。なんにもない、なんにもないとつぶやき、歌いながら、酒場に入る。低く雲のたれこめた心の持ちようもあり、晴れないなら、どしゃぶりでもいいかと、お酒を飲みながら思う。

酔っぱらって外に出たら、きれいな星空。あの星の光はぼくのこれまでの人生とこれからの人生を足した何十倍、何百倍、何千倍、いや、何万倍以上かかって届いているのかと思い、そんなものが目の前にあるのが不思議で、鳥肌が立った。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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