えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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東京国際映画祭で小津安二郎監督の『非常線の女』を見ました。

なんと、1933年の無声映画にライブのジャズ演奏付きです。ジャズ演奏をバックにした小津の無声映画がこれまた、ひとつひとつの画面割り、映像がスタイリッシュでかっこい。もちろん、ロウポジションのカメラなど後の小津調の萌芽があり、そのモンタージュは独特のものがあります。そう、30年早すぎたヌーベルバーグのようです。マイルス・デイヴィスが音楽を担当したルイ・マル監督の『死刑台のエレベーター』のようです。

娘むすめした若かりし田中絹代を初めて見ました。コケティッシュにかわいらしい。1930年代の東京という舞台にも驚く。こんなモダンな街だったのか。そして、田中絹代の恋の敵役の水久保澄子という今は忘れ去られた、どこか陰のある女優がなんとも魅力的。何度か自殺未遂を企てた彼女は、フィリピン人の結婚詐欺の事件というのあり、終戦の混乱期から行方不明ということだそう。

小津安二郎は戦前、戦中、戦後の時代の激変をどう見ていたのだろう? その答えは映画の中のどこかにあると思うのです。
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東京国際映画祭で小津安二郎監督の『父ありき』を見ました。

戦中の映画でこの『父ありき』ではすでに小津調の要素、ローポジションのカメラや家族の別れの劇などは、出そろっていたことになんだかぼくは感心したりします。

公開時は94分ある映画だったのだけれど、戦後、GHQの検閲によって87分の版しか残されていなかったのを、1990年代のペレストロイカ時にロシアで発見されたフィルムをもとに、カットされた部分も可能な限りデジタル修復した今年の92分の版が上映された。その新たに修正・追加されたところに、宴会で武運長久を祈る「正気歌」(「死しては忠義の鬼となり、極天皇基を護らん」という詩)を詩吟する場面とラスト・シーンに「海ゆかば」の音声が加わり、映画は今までの版とはまったく違う印象を残す。

この映画の公開は1942年で、直接の戦争のシーンは出さずとも、戦時と戦争を、まったく戦意の高揚しない暗鬱な形で表現していて、圧巻の「序破急」の「急」であります。『父ありき』の「海ゆかば」は笠智衆演ずる父の沈鬱な鎮魂歌となり、さらに、佐野周二演ずる結婚したばかりの子の暗い未来や敗戦という暗い日本の未来も予感するかのようなのだ。小津安二郎、恐るべし。
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落語を聴きに上野鈴本演芸場の昼の部に足を運びました。橘屋圓太郎師匠の「野ざらし」や春風亭一之輔師匠の「つる」、そして、主任の女流真打、蝶花楼桃花師匠の新作で舞台は江戸の若々しい「元禄女太陽伝」。

ぼくは、寄席というのはやっつぁん、くまさん、よたろう、御隠居さん、おかみさん、大家さんとかいろんな人、ブルースで歌われるStrange Cat Peopleの生き生きと暮らす夢の楽園の町、落語パラダイスであるようなのです。
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東京国際映画祭で小津安二郎監督の『麦秋』と『宗方姉妹』を見ました。

小津安二郎生誕百二十年、没後六十年の催しで、本編の始まる前に短い小津安二郎のイメージ映画「Shoulder of Giants」とヴィム・ヴェンダーズのインタビュウーも放映されます。「Shoulder of Giants」を見ただけでワクワクしてきて、ぼくの目頭は熱くなります。

英語字幕付きで少なからぬ外国人の観客もいらっしゃっておられるようで、映画が終わって劇場が明るくなると、外国の人が涙をためておられるようでした。本当にこんな日本的な映画が日本を越えて人の心を打つのですね。

ぼくも小津の映画を見ると胸が締めつけられるようです。死を悟ったらしき坂本龍一さんは生前のインタビューで小津の映画を見ると涙が止まらなくなるとおっしゃっておりました。

さて、ぼくは、この東京国際映画祭て小津安二郎の映画を、これから一週間余り、たくさん見ようと思っています。

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相模大野のアコパで打田十紀夫さんのライブを見ました。打田さんはギターも凄いが、おしゃべりも面白い。ふと、寄席に出ている打田さんを夢想してしまいます。ラストの曲「思い出の鱒釣り」は心が澄んでいくようなギターの響きでした。
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宮脇式植樹祭に行って、植樹しました。四年前に亡くなられた、横浜国立大学の名誉教授であられた宮脇昭さんが提唱し確立した宮脇方式の植樹です。「宮脇式」とは何か、この植樹祭で配られたパンフレット「ドングリは千年の森をつくる」の言葉をご紹介いたします。

「現在の人間の影響のすべて停止したと仮定した時、その土地の自然環境の総和が最終的に支えうる植生を「潜在自然植生」といいます。そうした土地本来の森、ふるさとの木によるふるさとの森は、地震や火事などの災害を防ぎ、千年、二千年と長持ちする「いのちの森」となります。それが、今や世界共通語ともなっている「鎮守の森」なのです。 
 日本の場合、その「ふるさとの森」を支えるのは、タブノキ、シイやカシ類等の照葉樹です。
 ただ、一口に森を作ると言っても、それらの樹種のみを植えれば良いというものではありません。土地本来の潜在自然植生の主木群を自然の森の掟に従って、「混植・密植」する。そうしてお互いが競争し・少しづつ我慢しながら。それが、4,000万の木を植え、本物の森を作り続けてきた宮脇先生の方式なのです。」

そうか、森には掟があるのか。そして、それによって、森は力ををもって、生成変転していて、宮脇式植樹はそれを手助けして、森を再生するのだと思いました。具体的には、斜面に土が流れるのを防ぐ竹の簡単な土防を作り、その土地のいろんな木を植え、藁を敷いていきます。服が藁だらけになりました。

さてどんな雰囲気の植樹祭だったのか、ぼくは俳句を二つ読みました。

 秋晴れに苗木の並ぶ籠の中
 
 植樹祭新藁渡すみなの笑み
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東京ドームシティーホールに世界一ブルースギターの上手い夫婦、Susan TedeschiとDerek Truchsのバンド、Tedeschi Trucks Bandを見に行きました。

1960年代から抜け出してきたソウルシンガーのようなSusan Tedeschiが凄いかっこいいです。音楽は黒人とか白人とか黄色人種とか、肌の色なんて関係ない。そして、Derek Trucksの変態みたいなギターはスライドブルース(Derekはほとんどの曲をEオープンのチューニングで弾いているそう)の域をはるかに超える、その多彩なフレーズはMiles Davisのモード奏法のようになってフリーに突き進む。コーラスの三人はSuzanに負けぬソウルの熱さで迫ってきます。ずしんとくるベースと二人のドラム、多彩で土臭さからモダンまで弾きこなすキーボードとぶっ飛ばす三人のフォーン隊。

そんなバンドが南部のどこかの町の町内会で結成されているかのような飾らない風情が素敵です。近所の寄り合いでメンバー同士のこんな昔の会話もあったのではないかしら?

「あなた、トロンボーンをやっていたそうじゃない。ちょっとバンドで吹いてみない。来週、公民館の講堂でみんなで集まって練習しているわ」
「あらあたし10年間吹いていないわ。でもやってみようかしら」

なわけないか。いや、あるかもしれませんぞ。

コンサートのことに戻り、すごく興奮したいいコンサートだった。ラストの一曲はNina Simoneも歌った自由のメッセージの込められたゴスペルみたいな曲で、今の時代にあって、胸に凄く迫るものがあって、目頭が熱くなりました。でも、やっぱ、一曲でいいからオールドブルースを聴きたかったな。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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